講演
「ワンストップ行政サービス実験の現状と展望」
則包直樹氏(技術士会会員:情報)
平成12年7月12日 (水) 18時〜20時 電気技術開発(株)JRビル会議室 出席者13名
先ず、ワンストップ行政サービスの内容と各官庁の情報化への取組み概況を紹介いただいた。
郵便局におけるワンストップ行政サービスについては、平成9年度から11年度までの
取組み概況と高度化実験、広域化実験の計画内容を紹介いただいた。
広域化実験の5地域の内の1つとして奄美大島の実験については、具体的なシステム構成、
設置機器構成、サービスメニューについて紹介いただいた。そして、実際のサービス画面
の幾つかを操作したようにして見せていただいた。
郵便局の情報端末(キオスク)は、24時間サービスが可能で、住民の費用負担が無く、
料金収納、書類の印刷が可能で、タッチパネル方式のもので、対象モニタは約80名の
規模とのことであった。
平成12年度に実験中の広島県美土里町の実験についても要点を紹介していただいた。
ICカードによる本人認証や通信に暗号技術が使われ、RSA方式、トリプルDES方式が採用
されている。
今後については、幾つかの課題があるが、展望として、役場以外の公益事業との共同運用、
病院関連等キラーアプリケーションの導入、総務省としての取り組みがあるとのことだった。
関係が深い、電子政府、行政情報化推進基本計画について紹介いただいた。電子政府は、
ミレニアムプロジェクトで、平成15年までに基盤構築、インターネットを利用した
ペーパーレス申請、地方公共団体を先導する実証実験がうたわれている。
行政情報化の具体的取組みとして、特に総理大臣直轄の省庁連携タスクフォース・
バ―チャルエージェンシーで検討されている自動車保有関係手続きのワンストップ
サービス、政府調達手続きの電子化、行政事務のペーパーレス化、教育の情報化がある。
まとめとして、ワンストップ行政サービスは行政の情報化の主要テーマであり、電子政府
の主要テーマでもあり、段階的構築が進もう、とのことで今後への期待点を解説いただいた。
具体的イメージが判り、色々な質問が出た。参加者は今後の進展方向を確信できたと思われる。
(後藤昭夫 記)