講演 「最近の情報化教育について」
                         伊藤公紘氏(技術士会会員・情報工学)

平成11年9月22日(水)18時から20時、電気技術開発(株)、出席者10名。

 講師は現在(財)コンピュータ教育開発センターに在籍し、学校の情報化に関 する活動を幅広く行っている。今回は小・中学校での情報化教育としてインターネ ット利用を中心に、現状と今後の方向性などについて講演が行われた。

 授業にインターネットを活用することは、ごく最近においても先進的教育として 位置付けられているが、平成10年12月から小・中学校の指導要領が改訂され、コン ピュータなどを活用して授業を行うとの項目が各所に盛り込まれることになった。

 指導要領の変更により学校の教育内容は変わる。しかし、現状では好きな先生が 情報化教育を推進しており、現在約90万人いる教育者のうちコンピュータの指導 ができる教員は1/4程度しかいない。そこで、情報処理技術者を臨時講師として 情報化教育に活用することが考えられているが、教員免許を持っていないため教育 現場における活用上の問題がある。 また、コンテンツ面から考えると日本の教科書は、米国に比べよく整備されてお り、インターネット情報を利用して教育の質を確保することは現状では難しい。そ こで、情報教育専門のHPの作製、有害情報の除去、教科書準拠レベルのコンテン ツ整備が近々の課題とされている。

 以上のように実際は情報化教育の決定版になるような成果はまだ挙がっておらず、 研究の段階であるが、100校プロジェクト等の先進的教育事例の中から情報化教育 のあり方を模索している。

 文部省は教育の情報化に関し、2005年までにアメリカをインフラ面を含めて追い こすことを目標として、@全国すべての学校におけるコンピュータ環境の整備、 Aコンピュータ環境を十分に活用し得る体制の整備を掲げており、近年の事業とし て校内LANの整備、教育研修の実施、ネットワーク提供型の学習ソフトとして学校 教育用コンテンツの開発等を予定している。また、教育情報化人材支援センターを 中心とした労働省の「緊急地域雇用交付金事業」の説明もあった。                     (延原光一 記)

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