講演
「ロボットによる社会革命への道」
小坂雅博氏(HEW リサーチ 代表 松下電器産業株式会社 客員 /本社技術部門 顧問)
平成12年11月15日 (水) 18時〜20時 電気技術開発(株), 出席者9名
講師は、デバイス開発、技術開発全般の要職を務められたが、以前から家庭用ロボット
に注目し、1年前の定年退職後、研究を本格化しライフワークにしたいとのことであった。
先ず背景として、家電による家事援助が進んだが最近30-40年そのレベルが基本的に進まず、
近年家事のアウトソーシングが始まっているとの分析で、コンピュータ上の作業の省力化
に比べ肉体的作業の代行の進んでいない家庭、職場の状況からロボットの必要性の指摘が
あった。
次に、最近のロボットの進歩を示す作業用、娯楽用ロボットなどの各種最新情報の紹介
があり、人口知能の能力予測では、40年後に人間並の能力のコンピュータが$1,000で
購入できるようになろうとのことであった。更に、人間に比べ、ロボットの世代間の
知識伝承は完全にでき、加速度的に進歩しようとのことであった。
そして、家庭や職場の身の回りの仕事をするロボットは、人間の行くところへ移動して
行かねばならないことから、ニ足歩行の人間型ロボット:Humanoidsでなければならない
との結論である。ロボットによる家事労働の低減で快適な生活が実現しようとの予測である。
未来の日常生活は、ロボットと暮らすことになろうとのことで、21世紀はロボットの世紀
であろうとのことである。
最近国内で報道された人間型ロボット、娯楽用ロボットなどについて解説いただいた。
ロボットは、教えることが大変で、一方で倫理の問題もあるとのことであった。
懇親会では、質疑が絶えず、動作速度の問題やエネルギ源の問題など多くの質問があったが、
何れも解決されようとの見込みが説明され、何百万円かのロボットに手伝いをさせられる
ようになるのかと思うようになった次第である。 (後藤昭夫 記)