講演 「構造設計者の実務的ツールとしてのコンピュータ」

                         加藤 進氏(会員・応用理学)

平成13年9月26日 (水) 18時〜20時  電気技術開発 岩田ビル会議室 出席者12名

講師は、建築学科を卒業、一級建築士ながら、若くしてソフトウェア会社に転職され、 当時先端的コンピュータを駆使して建築構造物の解析および設計に関するプログラミング 開発に没頭されたとのこと。そして、第1回技術士試験に専門を電子計算機として合格、 登録されておられる。

主に建築構造に関係して、次々と新しいコンピュータ、ソフトウェアに取組み、業界を リードされた業績が判る3頁の経歴書を配布資料としていただいた。

講演は、経歴書に沿って取組まれた各テーマについて、その背景、内容並びにその当時 どのように考えておられたかを説明頂いた。

日本でのコンピュータ導入時期には、コンピュータが建築のツールとして使えることに なりそうにないと思われたが、最近ようやく建築にコンピュータが使えるようになった と見られているとのことだった。

「静定トラスのコンピュータによる自動解法」や「任意形状架橋のコンピュータによる 自動解法」との学会論文があるかと思うと、「コンピュータ入力ミス防止のための方法論」 や「ソフトウェア生産技法(神話と教訓と現実と)」のような雑誌等への発表もされておられ、 ソフトウェアに自ら取組まれた体験について幅広く発言されておられる活動経歴には感心 するばかりだった。「パソコンの対話性能を利用したソフトウェア開発の一技法」、 「これからのパソコンの使い方」、「パソコンによる大変革」、「パソコンとの格闘」 等の投稿を1980年代前半にされておられるのであった。

配布資料の続きに、建設通信新聞の建設論評への160件を越える投稿の題目、日付が 掲載されている。「コンピューターと建築家の適性」、「コンピューターへの取組み」 '84、「パソコンCADへの取組み」'85、「コンピューターと習慣の整合」'86、 「OA化の根本問題」'87、「コンピューターOSの是非」'89、「ソフト開発の王道は小人数」 '91、「パソコンの行く末を読む」等読みたくなるものが多い。

多くの投稿の別刷りや「ソフトウェア開発の神話」等の書籍をいただいた。      (後藤昭夫 記)

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